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値段はふっかけた方が得

■ 読書備忘録(ビジネススキル、税務、心理学等に関する書籍の読書備忘録。キーエッセンスのみを引用。参考になれば幸い。)

・買う側が気にかけるのは、主に値段の違いという相対的なことであって、絶対的な値段ではない。
→ 主観的には絶対的なものなどは無く、対比があるだけなのだ。

・値段はふっかけた方が得。

・私たちは選択肢そのものより選択肢の「表現」を見て選ぶ。

・「損失回避」・・・お金(価値のあるものなら何でも)を失った場合の打撃の大きさは、
それと同じものを得た喜びの大きさよりもずっと大きい。

・交渉・・・自分から先に数字を言えば有利になる(ダニエル・カールマン)。
←→ 交渉の席を立つと脅す方が良い。

・景気の良い時代でも贅沢な店は、外観だけは立派なはりぼてのようなもので、
上昇志向の人々に「実際よりも豊かな、湯水のようにお金を使う世界がある」と思い込ませるために存在している。

■ 私見
売り手が売価を決定する際、利益ベースのアプローチ、コスト基準のアプローチ、市場の競合に追随するアプローチ等々様々な方法がある。
原価管理なのかマーケット志向なのか売上志向なのかによってアプローチが変わってくる。
しかし、買い手は違う。そんなアプローチは一切しない。
なにかサービスやモノを買うとき、値段に関しては、2つ以上、それも4つも5つもそれらを対比、比較して選ぶ。これを相対的という。
1つのみを吟味してそれにする場合、これを絶対的という。
買うときは、絶対的な場合は少ない。
いわんや、原価がこのくらいだろうから利益率を考えると売り手はこの値段設定をしたのだろう、などと考えるのは競合他社分析をしたがるマーケターか悪趣味の消費者か税理士か会計士ぐらいだろう。

・値段はふっかけた方が得。・・・
これは、アンカー(いかり)のことである。
はじめに伝えた金額によって心理的にその金額がものさしになり、基準点になり、その金額より高いか安いかを計りながら交渉してしまう傾向のこと。
この傾向をうまく利用して、売り手ならば希望価格よりも高い値段をふっかける。買い手ならば希望価格よりも安い値段をふっかける。
価格交渉時のテクニックとして有用な方法だろうと考える。

・「損失回避」・・・
○○を失ったときの痛みの大きさ > ○○を得た喜びの大きさ
同じモノでもそれを手に入れた時よりも、失った時の方が心理的にインパクトが強い。という心理的傾向のこと。
投資意思決定の際、埋没原価(サンクコスト)計算や様々な計算式を使いつつ、経営判断を行う。
計算はどうであれ、失うであろうという恐れ、弱み、心理上のインパクトがあまりに強いので、投資判断を誤るケースが後を絶たない。
これは、人は何か失うことについて極端に反応し、失いたくないという過度の意識が判断を鈍らせる。よくよく留意しなければならない。

ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか?

起業家は楽観主義

■ 読書備忘録(ビジネススキル、税務、心理学等に関する書籍の読書備忘録。キーエッセンスのみを引用。参考になれば幸い。)

・起業家の楽観主義
① 私達は目標に注意を集中し、一度立てた計画がアンカーとなり基準率を無視する。
結果、計画の錯誤に陥りやすい。
② 未来の予測を能力のせいだと考えたがり、幸運が果たす役割を無視する。
結果、自分の能力で結果は左右出来ると思い込む。
③ 自分が知っていることを強調し、知らないことを無視する。
結果、自分の意思に自信過剰になりやすい。
④ 自分達がしたいことや出来ることばかり見て、他人の意図や能力を無視する。

・楽天的傾向が強い経営者ほど、過大なリスクをとりがち。

・状況が手掛かりを与える。この手がかりを元に、専門家は記憶に蓄積された情報を呼び出す。そして、情報が答えを与えてくれる。直観とは認識以上でもなければそれ以下でも無い。

・リスクに伴う決定を総合的に扱うリスクポリシー・・・
計画策定時の外部情報に基づくアプローチ。広いフレーミング。
「過度の楽観主義」と「過度の警戒心」による損失回避という2つのバイアスを打ち消すため、内部情報だけに頼ってはならないこと。

・「サンクコストの錯誤」・・・
他にもっとよい投資があるにもかかわらず、損を出しているa/c(勘定)に追加資金を投じる決断のこと。高くつく誤り。

・人間を含めてあらゆる動物は得をするより、損を防ぐことに熱心。参照点近くに留め置く重力、保守的な傾向。
(ex. 防衛側が必ず勝つ縄張り争い)

・記憶の特徴・・・
① 接続時間の無視・・・時間の重みを完全に無視する
② ピーク・エンドの法則・・・最後の瞬間だけで人生全体を評価する

■ 私見
著者の心理学の見識が経済学にも応用されたとされノーベル賞を受賞している。この書籍は、経済学のみならず、経営学やマーケティングにも適用される非常に広範囲な知見である。ビジネスにおいて、動くのは要は、人である。心理的アプローチ抜きでは、浅はかな理論しか語れないことが証明されたようにも思われる。上記、起業家の楽観主義においては、自分の性格を重々じっくりと考え、楽観的思考を押しとどめ、商売していかなければならないことを示唆する。スキルやノウハウだけを持ってして、そのビジネスは維持継続ですら不可能であろう。また、リスクに対する対処法として、うちうちのデータだけを参照してことをことを進めることは危険であって、広いフレームで検討しなければならないとする。さらに、人は、メリット(得)よりもデメリット(損)を注視しがちであり、保守的である、という傾向を知ったうえで、リスクに対する一貫した考え方(リスクポリシー)を構築しなければならない、とする。

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?

現代の腐れたマーケティング手法

■ 読書備忘録(ビジネススキル、税務、心理学等に関する書籍の読書備忘録。キーエッセンスのみを引用。参考になれば幸い。)

・ランダム分布にパターンを見出す傾向 ・・・
安易に公式の様にパターンを見つけてはいけない。必ず大きなインパクトを持つ例外が存在する。

・気分が直感の正確性に大きな影響を及ぼす・・・
ex. ご機嫌だと直感が冴え、創造性が一段と発揮される。反面、警戒心が薄れ、論理エラーを起こしやすくなる。

・反復的な接触は生命体と周囲の環境との関係において有利に働く。
→ 反復されると好きになる。

・人は、統計的な推論をすべき状況で、因果関係を不適切に当てはめようとする傾向がある。人には因果関係を見つけたがる強いバイアスがかかっており、ただの統計はうまく扱えない。

・2つの変数の相関が不完全なときは、必ず平均への回帰が起きる。・・・
ビジネス書は、リーダーの個性や経営手法が業績に及ぼす影響を常に誇張している。
差は運。
→ その差は必ず減少する。
→ これを平均への回帰という。

・人は、過去についてつじつまの合った後解釈をし、それを信じ込む傾向がある。自分たちの予測能力には限界があるとなかなか認めたがらない。

・世界は予測不能なのだから、予測エラーは避けられない。

・プライミング効果・・・
無意識のうちに周囲の状況から刺激を受け、それによって思考や行動が規定される。

■ 私見
人は、じっくり考えても直感で考えても、なにかの影響を受けたり大きな間違いをした決断を下すことが多い、ということを心してキモに銘じておくべきだ。成功した企業経営者の自伝や経営者を題材にしたリーダーシップ論という分野のビジネス書、経営書しかり。経営者の資質、性格、行動、戦略がその企業の業績と相関関係が果たしてあるのか?著者は相関関係は低く、運を低く見積もり過ぎているとする。人は後解釈でいいようにストーリーを作りたがる。美しいからだ。個別の経営者に関する書籍については、批判的な視点かつ単なる読み物として読むべきではなかろうかと考えさせられる。ランダム分布にパターンを見出す傾向もそうだ、これも人は一貫した定理やストーリーを造ってしまう傾向にあるからだと推察される。

さて、この上記の原則を悪用しよう。
後解釈して美しい話に仕立てあげる(例えば経営者の伝記)、
反復して見せて気になりだすように仕向ける(例えばTV広告)、
予測不能な世界をまるで預言者のごとく未来を語る(例えばアナリスト)、、、、
この方法はまさに現代の腐れたマーケティング手法ではなかろうか。

ダニエル・カーネマン心理と経済を語る

カーネマンのプロスペクト理論と管理会計

■ 読書備忘録(ビジネススキル、税務、心理学等に関する書籍の読書備忘録。キーエッセンスのみを引用。参考になれば幸い。)

・プロスペクト理論・・・満足度(効用)を決めるのは、「変化」であって「状態」(富の絶対量)では無い
変化に対して近視眼的集中が引き起こされる。

・「損失回避」・・・人は、同等の利得から得られる満足より、損失の方に常に激しく反応する。
損失は同等の利得より強く感じられるということ。
(利得から得られる満足) ×2 = (損失)

・「焦点を絞ることによる錯覚」・・・あなたがそのことについて考えているときに重大だと思うほど、人生において重大なことは何も無い。人は、意識を集中させるとき、その重要性をあまりにも誇張してしまう傾向が強烈にある。

■ 私見
プロスペクト理論は難しい。要は、「今現在」の富の量が「未来」にどれだけ増えたか?が注目される人間心理のこと。

ex.
A 50 → 200 (150の増加)
B 1000 → 1010(10の増加)

Bの方が富の量は変化前も後もAより大きい。しかし、増加分はAの方が大きい。増加分にフォーカスし、そもそもの絶対量については軽視されがちになる人間心理のこと。これは貸借対照表の前期比較を見れば明らか。増加した数値に目が行く。そもそもの勘定科目の金額の多さ少なさには気を留めることが少なくなる。

簿記(管理会計)では投資意思決定論という計算式や理論があるが、上記「損失回避」の法則からすれば再考しなければならない。利益と損失をシミュレーション比較して、利益の方が大きければ、その戦略立案プロジェクトをGO(投資すべし)とするのが現行。著者によれば、損失するであろう金額よりも利益が出るであろう金額が2倍以上でない限り人はGO(投資すべし)といいづらくなる人間心理があるということ。

「焦点を絞ることによる錯覚」は、のど元過ぎれば熱さ忘れる ということわざ通り。今この瞬間に固執し過ぎて近視眼的目線であればそうならざるを得ない。今この瞬間において俯瞰的視点になれということ自体、心理的にかなり困難を伴うであろう。