【002】社会とは ~ソサイエティとコミュニティ~(12)

また、FacebookやTwitterなどに代表されるSNSは「Social Networking Service」の略ですが、このsocialはsociety〔名〕の形容詞形(社会的な/社会の)であり、まさにソサイエティであることを示しています。

 

実際、SNSはその配下に共通の目的を持って集まるコミュニティを抱え、そのコミュニティ同士やコミュニティに所属する会員達が、別のコミュニティの会員とも交流できるようにする仕組みを提供するサービス(networking service)です。

 

その意味で言えば、

世の中は様々なコミュニティとそれを抱えるソサイエティがたくさん存在する「超巨大なソサイエティ」

ということです。

 

そして、それはインターネットも同様です。

 

 

【002】社会とは ~ソサイエティとコミュニティ~(11)

コミュニティ・ソサイエティ共に、複数の構成要素を有する集団であり、似ている部分もあるのですが、本質的に異なっているのが、この「共通性」と「多様性」という違いです。

 

日本語では同じ「社会」を示す言葉ですが、意味合いが正反対であることが解ります。

 

このTDAも、この記事が公開されているインターネットも、サイズは違えど共に「社会」です。

そして、それはいずれもコミュニティ・ソサイエティの両面を持っています。

 

TDAは、そこに所属する専門家は自らのオフィスを持ち、本業を別に営む者同士の繋がりで構成されています。

その意味ではソサイエティです。

 

しかし、代表の宮本氏の考え方に賛同し、その実現を目指す集団として見ればコミュニティでしょう。

 

誰の立場でどこから見るかによって変わる、ということです。

【002】社会とは ~ソサイエティとコミュニティ~(10)

では、他方のソサイエティは何かを考えていきます。

 

前述しているように 「community ⊆ society」 であり、コミュニティと合同ではなく、包含関係となる大小を持つことは言うまでもありません。

ここから、ソサイエティは複数のコミュニティを含むことができ、コミュニティを構成要素とする、それよりも大きな集団であるということが解ります。

 

ソサイエティに含まれる各コミュニティは、それぞれ目的を持ちますが、それらは共有されている訳ではありません。

ソサイエティでは、構成要素たるコミュニティがバラバラの目的を持ち、記号体系や記号の構成環境を共有しなくてもよいことにしている、と考えて下さい。

 

もちろん、このままではコミュニケーションは成立しません。

 

同じソサイエティに属していれば、何らかの形で対話や伝達は為されるでしょうが、コミュニケーションとして成立しているかどうかは、個別に見ていかねば判らないものとなるでしょう。

 

しかし、そのような不便・不都合があっても1つの集団とする意義がある場合にソサイエティとして存在できると言えます。

ソサイエティでは、構成要素たるコミュニティにバラバラの目的や記号体系というような“個性”を認めている、と言ってもよいでしょう。

 

即ち、ソサイエティを表すキーワードは

「多様性」

であると言えます。

 

【002】社会とは ~ソサイエティとコミュニティ~(9)

コミュニケーション(communication)の語源は、ラテン語の『communis(共通の)+ munitare(通行可能にする)』であると言われており、共通の記号の構成環境を有し、同一の記号体系下で齟齬なく双方向のやり取りが可能であることが、コミュニケーションというものの本質を表していることが解ります。

 

ここまでくれば、皆様お気づきのことと思いますが、コミュニティ(community)の語源も同じものであり、『communis(共通の)』を有しています。

 

社会という意味を示す語としてのコミュニティは、複数の人間の集まる「集団」であり、その構成員間におけるコミュニケーションが成立することを示しています。

 

ラテン語の『communis(共通の)』は英語で言う『common(共通の)』に相当しますが、コミュニティで共通に有するのは、上述した言語のような記号体系や、文化的背景などの記号の構成環境だけではありません。

 

コミュニティはその根幹として「目的・意義」を共有します。

言うなれば、「共通の目的を実現するために集まり、その意義に支えられた集団」のことをコミュニティという訳です。

 

それ故、記号体系や記号の構成環境を共有するのは「共通の目的を実現するため」なのですから当然ということになります。

 

これを疎かにした集団は、コミュニティとしての機能を果たせず、一時的に集まったとしても再びバラバラになってしまうのは言うまでもありません。

 

即ち、コミュニティを表すキーワードは

「共通性(同一性/画一性)」

であると言えます。

【002】社会とは ~ソサイエティとコミュニティ~(8)

【001】の前半で述べたように、日本人同士におけるコミュニケーションでは、全体的に教育水準が高く、教育内容が同一世代においてほぼ同様のものが行き渡っているために、「記号化」と「復号化」でズレが生じたり、解読不能に陥ったりすることがあまり無い(と感じている)ため、気づきにくいのですが、「同じ記号体系の下で記号化と復号化が行われること」は最低限の必須条件であることは言うまでもありません。

 

記号体系の例としては、言語があります。

 

例えば、発信者が日本語で記号化されたメッセージを伝達したとして、受信者がそれをタガログ語で復号化しようとすると、当然のように齟齬が起きます。

まともに復号化することは出来ないでしょう。

伝達が失敗し、コミュニケーションは不成立となる訳です。

 

これ以外にも、文化的背景や育ってきた環境といったものも記号化と復号化が適切に行われるためには必要です。

(記号体系というより)記号の構成環境とでもいうべきものです。

 

いずれにしても、コミュニケーションが成立するための要件には「記号化と復号化が適切に行われる」ということが必要であり、それは同じ記号体系の下で記号化と復号化が行われ、記号の構成環境を「共有」している、ということを示しています。

 

つまり、「相互に話の基礎となる情報を共有していること」が、コミュニケーションが成立するための要件となっているのです。