[amazonjs asin=”4334033547″ locale=”JP” title=”行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)”]

■ 読書備忘録(ビジネススキル、税務、心理学等に関する書籍の読書備忘録。キーエッセンスのみを引用。参考になれば幸い。)

・サンクコスト効果・・・
過去に払ってしまってもう取り戻すことのできない費用。埋没費用。
現在の意思決定には、将来の費用と便益だけを考慮に入れるべきであって、
サンクコストは計算してはいけないのが合理的であるとする。
「過去のことは忘れろ。」である。
→ 本来ならこれから先の意思決定には無関係なハズのサンクコストを考慮に入れたために、
非合理的な決定をしてしまう。
その理由
① 評判の維持
② すでに支払ってしまったコストをムダにしないために過去の出費にこだわってしまう

・「理由に基づく選択」理論・・・
選択や決定をするには、それを選んだ納得のいく理由やストーリーが必要であり、
十分な理由があって選択が合理化できれば、たとえ矛盾があったとしても構わない。

・人にとって選択肢が多いことは幸福度を高めるどころかかえって低下させてしまう

・大数の法則・・・
標本が大きい方が母集団の性質をよりよく表す

・少数の法則・・・
少数からなる標本であっても母集団の性質を代表してしまうと考えてしまうバイアス

・経済人は、下記のように動く・・・
感情に左右されない → 勘定で動く
私情・詩情には無縁 → 市場を重視
人の琴線に触れない → 金銭に触れるのはスキ

■ 私見
サンクコスト効果。
公共事業を数十年続けていて、過去は意味ある投資だったかもしれないが時代は変わり、変更・中止すべき事業。
企業が始めた案件で、投資回収の目途が立ちそうにないことを知ったとしても撤退を容易にできないとき。
ギャンブルで負けが込んでいるのに賭け続けるとき。
人情として、感情論として、過去に使った費用を取り戻したい気持ちが生じてしまい、非合理的な決定、つまり
更なるムダを生んでしまう選択をしてしまう。この合理的でない選択は実生活でもよく表れる。
企業の投資意思決定においても取り返しがつかないことにまで及んでしまうことがある。念頭に置かなければならない。

少数の法則。
たった周りの数人が言っているだけでそこ行ったことを鵜呑みにしてしまう。
テレビで数回紹介されただけで流行りのモノや場所だと勘違いしてしまう。
統計を信頼あるソースから入手していないのに、母集団の性格や性質を決めてしまうリスクは日常にも潜んでいる。
ブログ記事を鵜呑みにしても良くない、第一次情報、第二次情報をよく吟味し、よくよく留意しなければならない。

人は経済人では無い側面が非常に多い。
人は金で動き、マーケットを重視し、冷酷無比の合理主義者では決してない。
非合理的で感情的で気まま。
だからこそ人間なのであると考える。
無意味なこともしてしまうのが人である。
数値でいかに正確で論理的な選択肢の話しをしたとしても、熱い感情や情熱的なストーリーや心から納得がいかなければ人はその選択肢に乗ってくれないことがある。
会計や税金や経営において数字を扱っている者としては、クライアントに納得してもらい実行に移してもらう際には、経済人に対してアドバイスするにはたやすいが、そう簡単にはいかない。
人が感情に左右され、私情も絡み、琴線に触れるときにアドバイスするのは、複雑で矛盾を感じ、非常に難しいと感じざるを得ないことがままある。

Posted by:TAXDESIGN_Naoki Miyamoto

TDA株式会社代表取締役兼CEO & Founder, 税理士

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